魂玉薬剤師

日々勉強の記録を記載していきたいと思います。予備校時代に魂のラジオを聞いて勉強していたというところから「魂」とってます。

低栄養と副作用

低栄養では,タンパク質(主に骨格筋)の減少が見られ,除脂肪体重(lean body mass)は減少し、体脂肪率は増加する.脂肪の増加は、高親油性薬物(ジアゼパム, クロルジアゼポキシドなど)

の分布容積を増大させ,これらの消失半減期を延長させることから,副作用発現のリスクが高まる

可能性がある。

また,低栄養では、内臓タンパクである血清アルブミンが減少する,これらの変化が血清中の薬

物結合に及ぼす臨床的影響は明らかになっていないが、血清アルブミン値と抗がん薬の副作用の関連についていくつか報告されている.

化学療法により重篤な血液毒性を引き起こした患者背景に関する調査研究では,血清アルブミン

値が有意に低かったことが示されている.また,タンパク結合率の高いプラチナ系抗がん薬であるシスプラチン(CDDP)を投与したときに見られる副作用発現頻度を調査した研究においては,テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(S-1) + CDDP 療法施行患者で,血清アルブミン値の低い患者の方が悪心・嘔吐など消化器系の副作用の発現率が有意に高かった。

参考)副作用アセスメント

副作用を見るところは、ここにより違いがある。その一つに低栄養。低栄養の基準は、難しい。しかし、筋肉量、徐脂肪体重などは、体組成計などを使い低栄養気味で有ればより副作用が出るリスクは、高くなる可能性を念頭に患者に寄り添う必要がある!