魂玉薬剤師

日々勉強の記録を記載していきたいと思います。予備校時代に魂のラジオを聞いて勉強していたというところから「魂」とってます。

海外のリフィル処方箋仕組みから日本のリフィル対応薬剤師を考える


1.    はじめに
l  日本は、段階的にリフィルを進める!
近年、リフィル処方箋が導入されたことは、周知の通りである。
このリフィル処方箋を、皆はどのようにイメージしているだろうか?
 
「まだ、まだ、でしょ」「リフィルって進まないよね」
そんなイメージでしょうか?
 
現段階では、リフィルという制度の導入が目的であって、浸透させることが目的ではなかったのが今回の診療報酬であると私は捉えている。
 
それは、日本の国民性からも急な変化をさせないのではと思っている。
 
私が、学生時代、学校は土曜日授業があった。しかし、土曜日急に休みということを行う前に第2土曜日休みが始まり、次に第4土曜日が休みになり土曜日が休みになった。
 
段階を踏むという感覚が私の中にあるため、今回のリフィルも目指すべき姿へ段階的に進めるものだという認識である。
 
であるならば、リフィルを使って国はどんなリフィル処方箋医薬分業を考えているのだろう??
 
何が言いたいのかというと現在のリフィル処方箋の状態は、日本が考える完成形ではないということである。
 
完成形の参考としてあげられるのは、アメリカ、オーストラリア、ギリスをはじめ多くの国が導入している「リフィル処方箋」
 
今回のブログでは、4年前にリフィル処方箋の基本概念をについて学ませてもらった内容を自分なりに解釈してお届けする。
 
l  リフィル処方箋の基本概念
 
アメリカ、オーストラリ、イギリスなどの先進諸国は早期からリフィル処方箋を導入してきたことは周知の通りである。
 
なぜ、先進諸国は、リフィルを導入していたのか?
目的はなんだろうか?
リフィル処方箋対応薬剤師が勉強する目的は?
 
リフィル処方箋導入国の背景、目的、実働世界を通し、日本が向かう「あるべき姿」を想定する。
 
あるべき姿からのギャップはどのくらいあるのか?が進むキャリアの一つになれば嬉しく思う。
 
2.    リフィル処方箋導入目的
アメリカという国に行かれた方は、「合理性」という言葉にしっくりくる方も多いのではないだろうか?
 
私が、アメリカに行った10年程前、すぐに移動のために車に乗った。その時車で走っているとある1レーンだけ空いているのである。なぜこのレーンを走らないのかと思い、尋ねた。
すると、このレーンは、車に一人しか乗っていない車は通れないレーンだと。
 
理由は、渋滞を解消するためだという。車に乗っている人が少ない車が増えるから渋滞するから。乗り合わせをすれば渋滞は減る。なるべく車に乗り合わせてほしいから乗り合わせてくれた方には通れるレーンがあるんだよ。とアメリカに着いてすぐに合理的な国だなと思った。
 
話を戻すと、リフィル処方箋とは、合理性が高い仕組みということである。
理由として、急性疾患の薬物療法は医師が行い、慢性疾患の薬物療法は薬剤師が行えば、医療費が削減できるからである。
 
日本のように全てを医師が見るようになれば、医師という人的資源の課題、患者が払う金額いわゆる医療費削減につながる。、更に患者としても毎回同じ薬を病院に行くと時間もかかる。
 
リフィル処方箋の目的
医療費と患者負担など合理性の考えからリフィル処方箋を導入していた。
 
3.    リフィル処方箋制度は薬剤師冥利に尽きる?!
 
薬剤師の職能というとどのようなことをイメージするだろうか? リフィルが進んでいる国の状況をふまえ考える。
 
薬剤師の職能は、正しい薬を出すことだけであろうか?
治療に使うのだろうか?
 
日本には、国民皆保険制度があり何かあると病院に行ってお薬をもらう。昔は、湿布を何枚も持って帰られる方が多くいたのも事実である。市販で買うよりも安いため、湿布は病院で処方箋から薬をもらった方が安いためだろう。
 
このような状況下では薬剤師職のは医師が処方した薬をいわゆる治療薬への関与をイメージするかもしれない。
 
一方リフィル処方箋が進んでいる国の薬剤師は、軽度な医療は自分でケアできるようにサポートする仕事だという認識がある。
また、国民もその意識があるため薬剤師への信頼が高い。特にアメリカでは、信頼できる職業の上位に薬剤師があげられている。
 
薬剤師の職能を広く社会に発揮させることで、健康寿命を延伸させると信じている。
 
ここから日本の状態と比較する。
日本の国民皆保険制度自体がどこまで持つのか?
先進国で、日本の様な国民皆保険制度がある国は私は知らない。
 
日本の国民性皆保険は、湿布やビタミン剤を含め市販の薬でも購入できる薬も保険適応になっている。
 
今後は、市販薬は保険から外れる可能性もあると私は思っている。
 
先進諸国の薬剤師はリフィル処方箋に対応しながら軽度な治療は、セルフメディケーションとしてアドバイスし国民に国件している。
 
先日も、ドイツに住む友人から「コロナにはビタミンDがいいからと国からアナウンスが流れ、薬局で購入してきた」そのような話を聞き、薬局というのは、身近な存在で健康相談や簡単な健康食品など短な科学者だとということを聞いた。
 
薬剤師職能を発揮しリフィル処方箋に対応するとは、今後、超高齢社会を迎える日本健康寿命にも貢献するという社会的価値の高い仕事だと思う。
 
4.    リフィル処方箋に向かう薬剤師のマインドセット
 
慢性疾患患者は薬局で病院に行かなくても薬がもらえるだけの仕組みではない。少なくとも私が見学したロングメモリアル病院の薬剤師たちはそんな思いではなかった。
 
前提になることがある「患者が実施している薬物療法の責任は薬剤師にある」というマインドセットが必要だということである。
 
医師が処方した薬を渡す際、マインドが「医師の責任」になってはいないだろうか?
 
リフィル処方箋を取り扱うということは、薬剤師のマインドが「薬物療法の責任は私にある」と思うことからリフィル処方箋はスタートすると感じた。
 
本格スタートは、次回の診療報酬改定だと思っている。
すると約1年間の間に、リフィル処方箋を扱うためにマインドセット薬物療法の責任は私にある」と言う主体的考えをつける期間にしたい。
 
5.    取り扱いの際、大切となるポイント×マインドセット
①    医師との従属的関係を排除して主体的に医師との疎通を図る
②    形式的なやりとりではなく、本当にこのままの処方内容で構わないのかという視点が出てくる。
③    処方内容に変更が必要だと判断した場合は、すぐに医師と連絡をして具体的に変更を行える。提案型の処方変更。
④    医師と処方内容を変更した方が良いかを医師と協議することも視野に入る。
⑤    変更後1週間くらいを目処に患者に連絡をとる。
 
薬物療法に責任をもつというマインドセットがされていなければ行動に移せない。まずはマインドのシフトチェンジをしたいその励みになるのが患者があなたに頼みたいという気持ちである。
 
日々の仕事の中で、あなたに聞きたいという状態を作り出すことからスタートを切るための環境を整える工夫が必要だ。
 
もし、今いる仕事場が薬を早く渡して数をこなすことを最大目標としているのであれば、移動することも考慮した方がいいと思う。
 
マインドセットができない環境で、取り扱いの際のポイントへの行動なんてできるはずがないからだ。
 
6.    マインドセットを行うために環境づくり
 
対象疾患患者は、薬局で普段から扱っている高血圧、糖尿病、脂質異常症であることが予想される。
薬剤師も普段扱っていない病気の方を取り扱うのは難しい。従って慢性疾患患者がメインとなるだろうと考えている。
 
普段取り扱っている病気=普段きてくれている患者ということになる。
 
目の前の患者とどの程度向き合ってるか?
患者から期待感を感じて仕事をしている?
 
私が、経験した普段は勉強していないのに勉強しようと思ったきっかけ。
「私は、病院に行っているのではない。あなたの話を聞いて病院に行くのだ。この治療どう思う?」と質問をされたことがある。
新人で未熟だったそれにも関わらず、患者からの言葉が嬉しく、一生懸命に勉強をした。
 
病院に行く前に薬局によってくれる。自分にできることは?と考え自分なりに精一杯した。
分からない時は、友達に聞き、先輩に聞き仕事をしていた。
 何よりもその患者から「病院に行くのではない。あなたに聞きたい」そう言われたことが嬉しかったから。
 
どんな薬がいいと思う?医師に相談する前に電話で聞いてから受診するね。そんなことも言われるようになった。
原動力は、患者の「あなたの話を聞きたいから」という患者からの薬剤師への期待感を感じたからだ。 私は、勉強が好きでも、勉強ができたわけでもない。
しかし、患者のためにと一生懸命だった。
私に聞きたいという患者であれば、患者のために働くし、医師とも話す。
そもそもそのように声をかけて下さった患者さんに心より感謝している。
まだ、未熟でよくわからない私に勉強の機会をくれたのだから。
 
環境づくりとは?「患者づくりだと思う。」
あなたに期待しているよ。そう言われただけで、薬剤師はがんばれると信じている。
環境づくりしようと取り組んでいくことから始めようではないか。
 
リフィル処方箋対応薬剤師が勉強する目的は?
以前、アメリカの薬剤師と日本の薬剤師の違いを聞いた際「アメリカの薬剤師は社会ニーズをまず捉えることから始め、ニーズを解決するために勉強する。一方、日本の薬剤師は、自分が勉強したいことを勉強する」
 
薬剤師への期待感を高める学びをすることがリフィルに対応する薬剤師への一歩だと思う。
ともに日本の抱える超高齢社会を超幸福社会に変えようではないか!