薬局カンファレンス☺️
73歳 女性
【処方】
ディオバン錠40mg
1日1錠 1日1回 朝食後服用 40日分
アテレック錠5
1日0.5錠 1日1回 朝食後服用 40日分
メバロチン錠10
1日1錠 1日1回 朝食後服用 40日分
マグミット錠330mg
1日3錠 1日3回 毎食後服用 40日分
【状態】
家族に血管疾患の既往歴はなし
健康診断で指摘されてから長きにわたって服用を継続しているが、必要でないなら薬を飲みたくない気持ちが強い。
去年の11月、LDLの数値が107と良好であったため、Drとも相談して一旦休薬してみて、数か月後に血液検査をしてみる予定を立てていた。
今年の2月に結果がでて、LDL 167と上昇していたため、Drにはやっぱり飲まなあかんなぁと言われた。
【イシュー】
既往歴・家族歴のない高齢女性のコレステロール管理において、LDL167という数値は問題となるか?
ご意見を交わせられれば幸いです。
という内容のカンファレンスを行いました。
イシューを考える意義)
患者が安心して生活を送ることが出来るようにするために
数字への不安感を減らす
参考)レジデントノート[i]
まず、生活週間を考えながら目標値の確認!!
この方の目標値はLDL160未満、NON―HDL190以下、TG150以下、HDL40以上
スタチンを服用したくない患者背景)
認識:LDLを問題だと感じていない。
自分がどのリスク分類にいるのか分からない。
反応:医師から服用を勧められたが納得していない
関心:服用をやめるとLDL107→167と高くなる。食事では難しい?
課題箇所)
LDLだけでは判断出来ない。
他に見るべきポイントがある。
そもそも分類上中リスク分類にあるという認識がないのでは?
参考)レジデントノート[ii]
年齢:53点 女性:−7点 stage1:4点 LDL:10点 HDL? 予測合計:60点 発症リスク:9%
患者背景からスタチンを服用する理由はあるか?)
まず、患者自身のリスク状態を共有する。
なぜ服用に至っているのか?
ずっと服用しなければならないのか?
そもそも、LDLだけでの判断は出来ない。
むしろ、TGでの判断が良いと考える。[iii]
今後のTG変化を追っていく必要がある。
さらに、フルバスタチンは酸化型LDLを抑える作用がある。
医師との対話により薬剤師としてフルバスタチンの選択を進める必要もあると考える。
今後)
まず、かけている情報を収集し患者が今後どうありたいのかを確認し、患者の望む未来のお手伝いを薬剤師としてどう出来るのか?
現状を把握し、ありたい自分とのギャップを埋めるために薬剤師としてどのようにお手伝いできるのかを考える必要がある。
仮に副作用である、横紋筋融解症が不安であれば、ビタミンDを週に50000単位を投与すると副作用予防が92%できたというデータがある。[iv]
薬剤師としては、副作用管理の一環としてビタミンD投与を考えることも必要ではないかと考える。
[i] レジデントノート 日常治療の正しい使い方
[ii] レジデントノート一般外来処方ドリル
[iii] 血中における酸化ストレスと脂質の相関性
[iv] 薬剤師のための臨床思考力トレーニング